溶融亜鉛めっきとは

溶融亜鉛めっきとは

長期間にわたって錆びや腐食を発生させません

溶融亜鉛めっきは、高温で溶かした亜鉛の中に鋼鉄の構造物を浸し、表面に亜鉛皮膜を形成する技術で、優れた耐食処理の方法として古くから世界中で使われてきました。

めっき層に浸漬して加工を行いますので、パイプやタンクなど中空の複雑な構造物の手の届かない部分の隅々にまで均一な保護皮膜が形成できます。

亜鉛めっき加工を施した鋼材は、長期間にわたって錆びや腐食を発生しません。

溶融亜鉛めっきの特徴

日本産業規格

産業規格

溶融亜鉛めっき JIS H 8641

適用範囲

この規格は、鋼材、鋼材加工品、鋳鍛鋼品及び鋳鉄品に防食の目的で施す溶融亜鉛めっきの有効面について規定する。
(有効面:製品の用途上で指定されためっき品質が不可欠な面。)

品質

1.品質は、有効面に適用する。有効面の範囲は、受渡当事者間の協定による。
2.外観は、不めっき、剥離、たれ及びかすびきを目視によって試験を行う。使用上支障がある不めっき、剥離、たれ及びかすびきは、あってはならない。
   注)めっきの表面に見られる不めっき、剥離、たれ及びかすびき以外の次の現象は、防食の性能には悪影響を及ぼさないため、補修などは不要である。
   やけ ー 変色 ー 白さび ー シーム ー ざらつき
3.膜厚は、電磁式膜厚計により試験を行う。その膜厚は、表による。

(JIS H 8641:2021 一部引用)

種類の記号及び膜厚

種類の記号 膜厚(μm) 適応例(参考)
HDZT 35 膜厚(μm)

35

適応例(参考)

厚さ5mm以下の素材、直径12mm以上のボルト・ナット、厚さ2.3mmを超える座金などで、遠心分離によって亜鉛のたれ切りをするもの又は機能上薄い膜厚が要求されるもの

HDZT 42 膜厚(μm)

42

適応例(参考)

厚さ5mmを超える素材で、遠心分離によって亜鉛のたれ切りをするもの又は機能上薄い膜厚が要求されるもの

HDZT 49 膜厚(μm)

49

適応例(参考)

厚さ1mm以上の素材、直径12mm以上のボルト・ナット及び厚さ2.3mmを超える座金

HDZT 56 膜厚(μm)

56

適応例(参考)

厚さ2mm以上の素材

HDZT 63 膜厚(μm)

63

適応例(参考)

厚さ3mm以上の素材

HDZT 70 膜厚(μm)

70

適応例(参考)

厚さ5mm以上の素材

HDZT 77 膜厚(μm)

77

適応例(参考)

厚さ6mm以上の素材

適応例の欄に示す厚さ及び直径は、公称寸法による。

製品例

鋼鉄の構造物を錆から守り資源を大切にする溶融亜鉛めっき製品は、世界中あらゆる分野で使用されています。

土木分野

新幹線の支柱や、高速道路のガードレールなど、現代の生活に欠かせない交通インフラを支える製品に溶融亜鉛めっきの製品が使用されています。

交通網の安全を保持するため、苛酷な気象条件に耐える製品が求められ、溶融亜鉛めっきの製品は長期による防錆を可能にする方法として安定した需要を誇っています。

使用例
鉄橋、架線支柱、架線金物、鉄柱、道床金物、ビーム、検査路、安全柵、階段、スノーシェルター、スプリンクラー支柱、新幹線駅建屋、橋梁、高速道路用ガードレール、防音壁、落下防止柵、道路標識、標識塔、照明灯、フェンス、ハンドレール、シグナル、シグナルケース、港湾、船舶関係、その他。

通信分野

巨大な発電所から張り巡らされた高圧電線は、空にそびえる鉄塔をたどって変電所へ、そして家庭へと、全国くまなく届いています。

世界の経済の要として、電波を通じて瞬時にあらゆる情報をキャッチし、送り出す通信網は、日本の高い技術をも、地球上の隅々まで伝達しています。
安定した高速通信を支えるため、溶融亜鉛めっきの製品は欠かせません。

使用例
送電線鉄塔、発電所変電所諸設備、配電線腕金、ケーブル管、鋼管柱、架台、トランス用ラジエター、コンジット、エアタンク、地中埋設用ケーブル管、無線鉄塔、パラボラアンテナ、その他。

建築分野

林立する高層ビル、海をまたいで遥か彼方までのびた大橋梁、直線と幾何学的なカーブによって構成された近代的な都市空間の陰の力として、溶融亜鉛めっきの製品は、大きな役割を果たしています。

大気中の排ガスに耐え、潮風に耐える力強さを、改めて認識してください。

使用例
鉄骨構造物、工場立家、屋外ヤード、架台、コンクリート補強材、デッキプレート、ガス水道用鋼管、継手、仮設足場、安全柵、階段、物干し台、サッシ、シャッター、フェンス、コルゲートパイプ、パイル、ボックスウォール、グレーチング、給排水管、冷暖房設備、橋梁、陸橋、ロッドマット、くず箱、ボイラー、温水器、その他。

レジャー分野

全国のあらゆる場所でレジャー開発が盛んに行われています。

メンテナンスフリーの溶融亜鉛めっきの製品は、人件費を軽減させ、保守、管理はもちろん、安全確保の面からも有利だと、注目を集めています。

使用例
スキー場リフト鉄柱、ジャンプ台、ゴルフ練習場設備、公園、遊園地諸施設、マリンスポーツ・ヨットハーバー施設、球場バックネット、競技場証明灯、その他。

第一次産業分野(農業・漁業・畜産)

高温多湿のうえに農薬や家畜類の糞尿などの悪条件にさらされる可能性の高い農・畜産分野、また、海水の影響を苛酷に受ける水産分野でも、溶融亜鉛めっきの製品は様々な役割を果たしています。

使用例
栽培用温室、畜舎、養蚕ハウス、鶏舎、貯蔵庫、用水路用コルゲートパイプ、フェンス、貯水槽、サイロ、排水溝、エロフィンヒーター、その他。

雪害対策

日本列島の面積の半分を占める豪雪地帯の急斜面に雪が降れば、雪崩が発生します。

人家を護り、鉄道や道路の損壊を防ぐために、我が国独自のさまざまな雪害対策施設が開発されています。

使用例
雪崩防止柵、雪崩減勢抗、吹溜式防雪柵、スノーガード、スノーシェルター、その他。

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